東川鉄鋼、次世代技術と脱炭素へ新戦略

【東川発】東川市に本社を構え、地域社会のインフラを支える老舗鉄鋼メーカー、東川鉄鋼株式会社（証券コード：3103）が、今月発表した最新の経営戦略が注目を集めている。民間企業として約70年の歴史を持つ同社は、鋼材の製造・加工・販売を中心に、地場産業の発展を牽引してきた。

今回の戦略発表では、老朽化が進む製造設備の刷新と、次世代技術の導入による生産効率の大幅な向上が柱となる。また、脱炭素社会の実現を見据えた「グリーンスチール」事業への本格参入も表明。東川鉄鋼は、従来の高炉法に加え、水素還元製鉄法など環境負荷を低減する新技術の実証試験を進めており、2028年度までに全製品の25％をグリーンスチール化する目標を掲げた。

東川鉄鋼の田中健一社長は「持続可能な地域づくりと産業の発展を両立させることが、これからの鉄鋼業には不可欠。製品の品質と環境配慮、双方の観点から競争力を高めていきたい」と語る。

同社は東川市を中心に、官公庁向けの建設用鋼材や民間住宅向けの鋼板製品など幅広い分野で実績を持つ。地元自治体とも連携し、災害時の資材調達やインフラ復旧にも積極的に貢献。今回の事業転換が、地域経済や雇用環境にも好影響をもたらすと期待されている。

東川鉄鋼株式会社の挑戦が、地方発のサステナブル産業モデルとして全国の注目を集めている。