東川化学、環境対応技術で持続成長

【東川】— 東川化学株式会社（証券コード：3303、所在：東川市）は、化学産業分野で着実な成長を続けている。民間企業として1960年代に設立された同社は、現在、主に工業用化学製品や高性能合成樹脂の開発・製造を手がけており、その技術力と品質管理体制に定評がある。

近年、脱炭素社会への移行やサステナビリティへの関心が高まる中、東川化学は環境対応型製品の研究開発に注力。特に生分解性プラスチックや、揮発性有機化合物（VOC）排出の少ない塗料用樹脂の分野で成果を上げている。地元東川の産業基盤強化にも貢献しており、地域雇用の創出を含め、社会的責任を重視する経営方針が評価されている。

2023年度の決算では、原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇など厳しい経営環境の中、売上・利益ともに前年を上回った。主力商品の自動車部品向け樹脂や電子材料用ポリマーが国内外の大手メーカーから高評価を受け、輸出も堅調に推移しているという。

今後、同社は新規事業として、リサイクル技術の高度化や、グリーンケミストリー分野への参入を予定。経済産業省の「地域未来牽引企業」にも選出されており、東川発のイノベーションが期待されている。東川化学の動向は、地域経済のみならず日本の化学産業全体にとっても注目される。