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千葉県茂原市の天然ガス施設~茂原駅周辺にそびえる巨大なガスタンクと地域の歴史~
千葉県茂原市は、実は国内有数の天然ガスの産地として知られていることをご存知でしょうか?南関東ガス田に位置する茂原市周辺は、日本国内でも屈指の天然ガス埋蔵量を誇り、地域の産業や市民生活に欠かせないエネルギー資源となっています。特にJR外房線の茂原駅周辺には、天然ガスを貯蔵するための巨大なガスタンク(ガスホルダー)が立ち並び、地域のランドマークとして市民に親しまれています。今回は、茂原市における天然ガスの歴史や施設の特徴について、整理しながら詳しくご紹介いたします。
茂原市と天然ガスの歴史~地域を支える重要資源~
茂原市を中心とした地域は、「南関東ガス田」と呼ばれる、日本を代表する天然ガス田の一部を形成しています。茂原エリアには、実に日本の天然ガス埋蔵量の約600年分に相当するとされるほどの豊富なガス資源が眠っていると言われています。
この天然ガス資源の開発が本格的に進んだのは、1930年代に入ってからのことです。昭和10年(1935年)7月には『千葉天然瓦斯株式会社』が茂原営業所を開設し、その際に容量800立方メートルのガスホルダー(ガスタンク)を設置したのが始まりでした。この開発をきっかけに、茂原市は天然ガスを活用した工業都市として急速に発展を遂げました。
また、天然ガスの採掘過程では、副産物として「かん水」と呼ばれる地下水が採取されます。このかん水にはヨウ素やフルボ酸などの有用な資源が豊富に含まれており、それらの資源も地域産業において重要な役割を果たしています。
ガスタンク(ガスホルダー)の特徴~茂原の街を象徴する巨大な施設~
茂原駅からほど近く、市内各所に設置されている巨大なガスタンク(正式にはガスホルダーと呼ばれる)は、この天然ガスを安全かつ効率的に貯蔵するための施設です。
ガスホルダーは、天然ガスの使用量が少ない時間帯に貯蔵し、逆に使用量が多い時間帯に送り出すという調整機能を持っています。茂原市内のガスタンクは、1基あたり約10万立方メートルの容量を持ち、直径約30メートル、高さ約30メートルという大規模なものです。その高さは、一般的なビルの11階建てに相当するため、市内のどこからでもよく見えるほど存在感があります。
茂原市のガスタンクは、その巨大な構造だけでなく、外観にも特徴があります。地元で毎年開催される『茂原七夕まつり』をイメージした七夕飾りや、「七夕のまち もばら」というキャッチフレーズがタンク表面に描かれており、市民から愛される茂原のシンボルとなっています。特に七夕の季節には地域のシンボルとして観光客の目を楽しませる役割も果たしています。
茂原駅周辺の天然ガス関連の施設と観光スポット
JR茂原駅周辺では、このガスタンクのほかにも天然ガスの歴史や特色を感じることができます。駅前の街路にはガス燈が設置され、夕暮れ時になるとその灯りがともり、どこか懐かしい街並みを演出しています。このガス燈も、地元産の天然ガスを利用しているため、地域の資源を活かした取り組みの一環として評価されています。
茂原駅周辺は商業施設や飲食店が充実しており、地域の中心的存在として栄えていますが、同時にガスタンクを背景にした風景は、茂原ならではの特色ある景観として多くの人に親しまれています。
また、天然ガスやかん水由来の資源を活かした化粧品や健康食品なども茂原市を中心に生産・販売されており、地域経済を支える重要な役割を果たしています。
アクセス情報
- 所在地:千葉県茂原市(JR外房線 茂原駅周辺)
- アクセス:
- JR外房線 茂原駅下車すぐ(駅前からガスタンクの景観を楽しめます)
- 車:圏央道茂原北ICより約10分程度
まとめ~天然ガスのまち・茂原を訪れて~
茂原市は、天然ガスを中心に豊かな資源に恵まれた町であり、その象徴として巨大なガスタンクが市民に親しまれています。天然ガスを使ったガス燈やガスタンクに描かれた七夕飾りなど、独特の景観を楽しむことができ、茂原市の地域性や歴史を感じられるスポットとなっています。
ぜひ茂原市を訪れた際には、天然ガスが育んだ産業や街並みを感じつつ、ゆっくりと散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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