円高・円安 の影響を受けやすい企業

為替相場の変動は、企業の業績に大きく影響を与える要因の一つです。特に日本企業の場合、海外との取引が多い輸出型企業と、原材料や商品を海外から仕入れる輸入型企業とで、円安・円高のメリットやデメリットが大きく異なるケースがあります。

本記事では、「円安でメリットを受けやすい企業」と「円高でメリットを受けやすい企業」をそれぞれ25社ずつ取り上げ、簡単な特徴とともにご紹介します。あくまで一般的な例示であり、実際の業績には為替ヘッジの状況や海外生産拠点の有無など多くの要因が影響する点にご留意ください。

【円安でメリットを受けやすい企業(25社)】

  1. トヨタ自動車
    • 世界的に自動車を輸出。円安で海外販売収益が増加しやすい。
  2. ホンダ(本田技研工業)
    • 自動車・二輪車とも輸出比率が高く、円安時に利益増。
  3. 日産自動車
    • 世界市場向け販売を展開。日本からの輸出分が円安の恩恵を受けやすい。
  4. マツダ
    • 輸出依存度が比較的高い中堅自動車メーカー。
  5. スズキ
    • 四輪・二輪とも海外売上が大きく、為替差益が見込まれやすい。
  6. SUBARU
    • 北米向け輸出比率が高く、円安で業績が伸びやすい。
  7. 三菱自動車
    • アジアや欧州を中心にグローバル展開。輸出分が円安メリットを享受。
  8. いすゞ自動車
    • トラック・商用車の輸出が多く、為替影響を大きく受ける。
  9. ヤマハ発動機
    • 二輪車・船外機など輸出割合が高い。円安時に収益アップ。
  10. ソニーグループ
    • ゲーム機・家電・映像関連など世界展開。海外売上が大部分。
  11. パナソニックホールディングス
    • 家電・産業機器など幅広い分野でグローバルビジネスを展開。
  12. キヤノン
    • カメラ・事務機器の輸出比率が高く、円安で売上増。
  13. ニコン
    • デジタルカメラや精密機器の海外販売が中心。
  14. リコー
    • 複合機・プリンターで海外売上が大きい。為替影響を受けやすい。
  15. シャープ
    • ディスプレイや家電など世界市場向け製品を多数輸出。
  16. 任天堂
    • ゲーム機・ソフトの海外売上比率が非常に高く、円安で利益増加。
  17. ファナック
    • 工作機械用ロボット等をグローバル展開。輸出が主力。
  18. 安川電機
    • 産業用ロボットやモーターの輸出比率が高い。
  19. コマツ
    • 建設機械を海外で多く販売。円安により利益が拡大しやすい。
  20. 日立建機
    • 建設機械の世界展開が主力。輸出が多く、為替差益を得やすい。
  21. 三菱重工業
    • プラント・船舶・航空機など海外案件が大きい。
  22. 川崎重工業
    • 航空機・船舶・鉄道車両などを輸出。円安で売上伸長。
  23. JFEホールディングス
    • 鉄鋼製品の輸出比率が高く、円安メリットを享受。
  24. 日本製鉄
    • 鉄鋼の海外需要が大きく、輸出における円安効果が大きい。
  25. ダイキン工業
    • 空調機器で世界トップクラス。海外販売が多く、円安の恩恵大。

【円高でメリットを受けやすい企業(25社)】

  1. 日本航空(JAL)
    • 燃料費やリース料をドルで支払うことが多く、円高時にコスト減。
  2. ANAホールディングス(全日本空輸)
    • 同上、燃料費などドル建て支出が大きい。
  3. 東レ
    • 繊維・樹脂など原材料輸入が多く、円高時に仕入コストが低下。
  4. 花王
    • 化粧品・日用品の原材料を一部輸入。円高でコストダウン。
  5. ライオン
    • 海外から原材料を多く調達し、円高時に利益率が向上しやすい。
  6. 日本ハム
    • 食肉・加工食品の原材料を輸入するため、円高でコストメリット。
  7. マルハニチロ
    • 水産物の海外調達が多い。円高により輸入コスト低減。
  8. 日清食品ホールディングス
    • 小麦など原材料を海外から輸入するため、円高でコスト減少。
  9. カゴメ
    • トマト原料など輸入が多く、円高で仕入れ負担が軽減。
  10. サントリーホールディングス
    • ビール・ウイスキー・ワインなどの原材料輸入が多い。
  11. アサヒグループホールディングス
    • 麦芽・ホップなどを輸入。円高で原材料費が下がる。
  12. キリンホールディングス
    • 同上、ビール原料の海外調達が多い。
  13. コカ・コーラ ボトラーズジャパン
    • シロップなど原料を海外から買い付けるため、円高でメリット。
  14. 武田薬品工業
    • 海外企業の買収や研究費がドル建てのことが多く、円高時に有利。
  15. エーザイ
    • 研究開発や国際提携などドル支出が発生しやすく、円高で費用を抑制。
  16. ローソン
    • コンビニ商品の原材料や加工品の一部を海外から輸入。
  17. ファミリーマート
    • 同上、輸入食品・雑貨コストが円高で低下。
  18. セブン&アイ・ホールディングス
    • グループ全体で輸入品の取り扱いが多い。
  19. イオン
    • PB商品含め海外生産・輸入商品が多く、円高がコスト面でプラス。
  20. ビックカメラ
    • 家電製品やPCの多くを海外から仕入れるため、円高で仕入れ安価。
  21. ヤマダホールディングス(ヤマダ電機)
    • 同上、海外メーカーの家電・パソコンを仕入れる比率が高い。
  22. ワークマン
    • 作業服・アパレルの海外生産比率が高く、円高でコスト減。
  23. ニトリホールディングス
    • 家具・インテリアを海外工場で生産し輸入。円高で原価が下がる。
  24. ロート製薬
    • 一部の医薬品原材料を海外から調達しており、円高で仕入れ安。
  25. 東京電力ホールディングス
    • LNGや石炭など燃料の輸入コストがドル建てであるため、円高で有利。

◆ 注意事項・補足

  • あくまで「一般的に輸出入構造や海外売上比率から為替の影響を受けやすい」とされる企業の例示です。実際の影響は、為替ヘッジの有無や海外生産拠点の割合、原材料の調達先・取引通貨などによって異なります。
  • 順番は特に優先度や重要度を意味しておらず、一例として挙げています。

留意点

  • 上記はいずれも「一般論として輸出入構造や海外売上比率から為替の影響を受けやすい」という観点での例示です。実際の業績への影響は、為替レートの変動幅、各社の為替ヘッジ方針、生産拠点の海外移転状況、原材料の調達通貨、多通貨での売上構成など多くの要素によって変わります。
  • 同じ企業であっても、海外に大規模生産拠点を構えている場合や、海外子会社での費用・売上が大きい場合には、必ずしも単純に「円安=メリット」「円高=デメリット」とならないケースもあります。

こうした背景を踏まえつつ、一般的に「円安・円高のどちらにメリットを受けやすい企業か」を把握する際の参考例としてご活用ください。


以上の記事は、投資判断に用いることを目的としたものではなく、FELIX☆newsが事実のみを整理した内容や、一個人のコメントを記したものとなっています。このため、正確性にかける記述や誤った記述がある可能性があります。また、投資を促すものではありません。必ず最新の公式情報をご確認ください。数字や内容は記事執筆時点での公開データ・報道を元にしていますが、将来的、修正や訂正、変更される可能性がありますのでご注意ください。

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