長距離から離島航路まで、“スローな移動”を満喫しよう
1. フェリー旅の魅力
- 移動そのものを楽しむゆとり
- フェリーは飛行機や新幹線などに比べると移動時間は長め。しかし、その分、海上でのんびり過ごしたり、朝焼けや夕日、夜空を眺めたりと“スローな旅”を楽しむことができます。
- 充実した船内設備
- 長距離フェリーにはレストラン、大浴場、ラウンジ、カプセルタイプや個室など多彩な客室がそろっており、船内泊も快適。
- 最近は女性専用エリアやドッグラン付きの船も登場し、旅のスタイルに合わせた設備が増えています。
- 車やバイク、ペットもOK
- カーフェリーならマイカーやバイクをそのまま載せられ、到着後に現地を自由にドライブ可能。
- ペット同伴が可能な航路も増えており、大切な家族と一緒に船旅を楽しめます。
- 離島・沿岸部へアクセスしやすい
- フェリーは離島や半島など、飛行機では行きづらいエリアへの大切な交通手段。
- 地域のローカル文化や豊かな自然に気軽に触れられるメリットがあります。
2. 代表的な長距離フェリー航路
日本の大都市と離れた地域を結ぶ“長距離フェリー”では、船内泊を伴う十数時間〜20時間以上の航海が一般的。多くは大浴場や食堂、個室を備え、快適な船旅が楽しめます。
2-1. 北海道方面
- 新日本海フェリー
- 主要航路: 舞鶴(京都)・敦賀(福井) ⇔ 小樽・苫小牧(北海道)
- 日本海を縦断。船内から日本海の絶景や夕日、朝焼けが楽しめます。
- 太平洋フェリー
- 主要航路: 名古屋(愛知)・仙台(宮城) ⇔ 苫小牧(北海道)
- 船内コンサートや展望風呂などエンタメ性も高く、人気が高いフェリーです。
- 商船三井フェリー (MOL Ferry)
- 主要航路: 大洗(茨城) ⇔ 苫小牧(北海道)
- 首都圏と北海道を夜行便で結び、露天風呂や多彩な客室を備えています。
2-2. 東北・関東方面
- 川崎近海汽船 (シルバーフェリー)
- 主要航路: 八戸(青森) ⇔ 苫小牧(北海道)
- 夜行便の設定もあり、東北と北海道間の移動に便利。
- 東京九州フェリー
- 主要航路: 横須賀(神奈川) ⇔ 新門司(福岡)
- 首都圏〜九州を一挙に結ぶ新しい長距離航路。新造船で快適な船旅を提供しています。
2-3. 近畿・四国・九州方面
- フェリーさんふらわあ
- 主要航路: 大阪 ⇔ 別府 / 神戸 ⇔ 大分 / 大阪 ⇔ 志布志(鹿児島)
- 豪華な船内設備が魅力で、特に大阪〜志布志航路は乗船時間が長めのため“船旅感”を堪能できます。
- 阪九フェリー
- 主要航路: 神戸・泉大津(大阪) ⇔ 新門司(福岡)
- 関西〜北九州を夜行便で結び、個室タイプや船内施設が充実。
- 名門大洋フェリー
- 主要航路: 大阪南港 ⇔ 新門司(福岡)
- 大浴場やレストランなど快適に過ごせる設備あり。車両航送も盛んに利用されています。
- オーシャン東九フェリー
- 主要航路: 東京(有明) ⇔ 徳島(小松島) ⇔ 新門司(福岡)
- 関東・四国・九州を結ぶ貴重な長距離航路。所要時間は東京〜徳島が約18〜20時間、徳島〜新門司が約15時間ほどです。
- 四国開発フェリー(ジャンボフェリー)
- 主要航路: 神戸(三宮) ⇔ 高松(香川) ※一部、小豆島寄港便あり
- 手頃な運賃で四国へ行けるほか、島巡りの拠点としても利用されています。
- オレンジフェリー
- 主要航路: 東予(愛媛) ⇔ 大阪南港
- 関西と愛媛を結ぶ長距離フェリー。レストランや大浴場、個室を完備。
3. 離島・地域航路を結ぶフェリー
3-1. 関東・伊豆諸島・小笠原諸島
- 東京湾フェリー
- 久里浜(神奈川) ⇔ 金谷(千葉)
- 房総半島へのショートカットに便利。車両航送も可能。
- 東海汽船
- 東京(竹芝桟橋) ⇔ 伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島
- 大型客船や高速ジェット船で、離島へ快適アクセス。夜行便では船中泊も楽しめます。
- 小笠原海運
- 東京(竹芝桟橋) ⇔ 小笠原諸島(父島)
- 片道約24時間の船旅。小笠原の豊かな自然に触れたい人には欠かせません。
3-2. 北海道内・本州離島など
- 津軽海峡フェリー / 青函フェリー
- 函館 ⇔ 青森 / 函館 ⇔ 大間
- 北海道と本州を結ぶ主要ルート。マイカー旅行者にも人気。
- ハートランドフェリー / 宗谷海運
- 稚内 ⇔ 利尻島・礼文島、羽幌 ⇔ 天売島・焼尻島、江差 ⇔ 奥尻島 など
- 北海道内の離島へアクセスする貴重な生活航路。
- 佐渡汽船
- 新潟 ⇔ 両津 / 直江津 ⇔ 小木
- 佐渡へはジェットフォイルかカーフェリーを選択でき、観光シーンに合わせて使い分け可能。
- 隠岐汽船
- 境港・七類港(鳥取・島根) ⇔ 隠岐諸島
- 大自然の残る隠岐へ向かうにはこの航路が必須。
3-3. 瀬戸内海エリア
- JR西日本宮島フェリー / 宮島松大汽船
- 宮島口 ⇔ 宮島(厳島神社)
- 世界遺産・厳島神社へのアプローチ。わずか数分でアクセス可能。
- しまなみ海道の短距離フェリー
- 尾道 ⇔ 向島、今治 ⇔ 大島 など
- しまなみ海道サイクリングと組み合わせる楽しみ方が人気。
- 小豆島への各路線
- 高松、神戸、新岡山港など複数の発着地あり。
- 瀬戸内海の島々を巡る拠点としても利用されます。
3-4. 九州・沖縄・南西諸島
- 桜島フェリー
- 鹿児島市 ⇔ 桜島
- 所要時間わずか15分。1日に多数便が往復しており、地元の足としても活用されています。
- マルエーフェリー / マリックスライン
- 鹿児島 ⇔ 奄美大島・徳之島・沖永良部島・与論島 ⇔ 那覇(沖縄)
- 沖縄本島と奄美諸島を結ぶ重要航路。離島巡りにも便利。
- 九州商船 / 野母商船
- 博多 ⇔ 五島列島(福江島など)、長崎 ⇔ 五島列島
- 個性的な島々が多く点在する五島地方への玄関口。
- 天草諸島へのフェリー
- 熊本本土 ⇔ 天草各島の間に複数航路。
- イルカウォッチングや絶景スポット巡りなど、天草観光に活躍。
- 沖縄本島〜先島諸島
- 那覇 ⇔ 宮古島 / 石垣島、石垣島 ⇔ 竹富島 / 西表島 / 波照間島 など
- 高速船やフェリーが運航し、アイランドホッピングを楽しむ人も多い。
4. フェリー旅を楽しむコツ
- 運航時刻表のこまめなチェック
- 季節や整備状況、天候によってダイヤが変わることがあります。公式サイトや予約窓口で最新情報を確認しましょう。
- 客室タイプの選択
- 大部屋(2等室)、カプセルタイプ、個室(1等・特等)など、予算や人数に合わせて選べます。長旅ほど快適な客室の利用がおすすめ。
- 船内での過ごし方を計画
- 船内レストランやラウンジ、大浴場などを有効活用。読書や音楽鑑賞、スマホやタブレット用の充電器などを準備しておくと退屈しません。
- 車両・ペット同伴の場合の注意
- カーフェリーやペット同伴のルールは航路ごとに異なります。予約時にしっかり確認を。
- 船酔い対策
- 酔い止め薬や酔いにくい客室選び(船の中央寄り・低い階層)も一考。波が穏やかな季節を選ぶのも手です。
5. まとめ
日本には、長距離フェリーから短距離・離島航路まで多種多様な船旅の選択肢があります。
- 遠くの目的地まで“移動自体”を満喫したい方は、充実した設備を備える長距離フェリーがおすすめ。
- 離島やローカルな海沿いの町を訪れたい方は、短距離のカーフェリーや高速船も要チェック。
いずれにしても、“船上”という非日常空間で過ごす時間は格別です。ぜひ次回の旅行では、フェリーを選択肢に入れてみてください。大海原を眺めながら、のんびりと流れる時間を堪能する――それこそがフェリー旅最大の醍醐味です。
《参考:主なフェリー会社の公式サイト》
- 新日本海フェリー: https://www.snf.jp/
- 太平洋フェリー: https://www.taiheiyo-ferry.co.jp/
- 商船三井フェリー: https://www.sunflower.co.jp/
- 川崎近海汽船(シルバーフェリー): https://www.silver-ferry.co.jp/
- 東京九州フェリー: https://tqf.co.jp/
- フェリーさんふらわあ: https://www.ferry-sunflower.co.jp/
- 阪九フェリー: https://www.hankyu-ferry.co.jp/
- 名門大洋フェリー: https://www.meimon-taiyo.co.jp/
- オーシャン東九フェリー: https://www.otf.jp/
- 四国開発フェリー(ジャンボフェリー): https://ferry.co.jp/
- オレンジフェリー: https://www.orange-ferry.co.jp/
- 東海汽船: https://www.tokaikisen.co.jp/
- 小笠原海運: https://www.ogasawarakaiun.co.jp/
(※運航時刻、料金、設備などは随時更新されます。ご利用の際は必ず最新情報をご確認ください。)