2025年2月4日
東急株式会社(以下、東急)、東急電鉄株式会社(以下、東急電鉄)、および株式会社東急パワーサプライ(以下、東急パワーサプライ)は、バーチャルPPAを活用し、再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来100%の電力供給スキームを確立した。これにより、東急電鉄が保有する施設での電力を、東急グループが開発する太陽光発電所由来の環境価値を活用して賄うことが可能となる。東急グループとして、初の再エネ由来100%電力の「自産自消」となる画期的な取り組みだ。
東急電鉄、再エネ導入を加速—対象施設拡大へ
東急電鉄では、すでに2022年4月から、全路線の運行および駅運営に必要な電力を日本で初めて再エネ由来100%電力に切り替えている。今回、新たに「電車とバスの博物館」などの施設にも、東急グループが開発した再エネ電力を導入することで、さらなる脱炭素化を進める。
バーチャルPPAの活用—安定的な再エネ調達へ
本取り組みでは、バーチャルPPA(仮想電力購入契約)というスキームを活用する。これは、再エネ発電所が生み出す電力の環境価値を長期的に供給する仕組みで、追加性のある再エネ電力を確保するものだ。これにより、東急電鉄は長期的に安定した再エネ電力の調達が可能となる。
CO2排出量削減の具体的な効果
- 年間約67万kWhの電力を再エネ電力に置き換え
- 年間約294トンのCO2削減見込み
- 環境価値を最大限活用し、東急グループ全体の脱炭素目標に貢献
再エネ電力の供給対象施設
- 鷺沼駅ビル(神奈川県川崎市宮前区)
- 新丸子保線区(神奈川県川崎市中原区)
- 梶が谷保線区(神奈川県川崎市高津区)
- 電車とバスの博物館(神奈川県川崎市宮前区)
これらの施設では、2025年中に再エネ電力の供給が開始される予定だ。
東急グループの環境戦略と今後の展望
東急グループは、2022年3月に策定した「環境ビジョン2030」の目標達成に向けて、再エネ導入を積極的に推進している。その一環として、2024年度から始まる中期3か年経営計画では、調達電力の内製化(自産自消)を掲げ、東急線沿線のスマートでグリーンなECOシステムの構築を目指している。
また、田園都市線・市が尾変電所には、関東大手民鉄初となる大規模蓄電システムの設置を進めており、電力消費の平準化や災害時のBCP(事業継続計画)強化にも取り組んでいる。
脱炭素社会の実現へ向けて
東急、東急電鉄、東急パワーサプライの3社は、バーチャルPPAをはじめとしたコーポレートPPAの活用を進め、再エネ普及を加速させることで、脱炭素社会の実現に貢献していく。
東急グループは、2050年までにCO2排出量を実質ゼロ、再エネ比率100%を目指し、持続可能な社会の実現に向けて、さらなる取り組みを進めていく構えだ。
プレスリリース 引用元: https://www.tokyu.co.jp/company/news/list/Pid%3Dpost_55401.html